出産時に赤ちゃんの頭が長時間産道を圧迫することで血流が遮断し、組織が壊死して生じる瘻孔(ろうこう)を指し、分娩遷延または分娩停止の合併症と言われています。 全世界に200万人ものフィスチュラサバイバーがいると言われ、アフリカ・南アジア・中東などでみられる、リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関わる国際的な健康課題のひとつです。

産科フィスチュラになると

産科フィスチュラを発生させた分娩の7割~9割は死産に終わります。 産道に瘻孔が形成されるため、膣から尿や便が垂れ流しになり、持続的な失禁状態になります。 悪臭により家族から「生殖能力のない無用の厄介者」と見離されるケースも多く、身体的・精神的なダメージに加えて、社会的にも深刻な影響を及ぼします。 産科フィスチュラはおおむね2~3日の陣痛で発生しており、中には4日以上に及ぶ陣痛の末にフィスチュラを発生したケースもあります。適切な治療を受けることが出来ずに放置されるケースが多く、感染や腎臓疾患を合併し、治療しないと死に至る危険性もあります。

産科フィスチュラ発生要因

貧困をベースとして、教育、ジェンダー、保健医療、治安・紛争、インフラ整備、文化・慣習等が複合的に絡み合って発生していると考えられています。特に早婚からの若年妊娠では、未成熟な心身で出産を迎えることになり、フィスチュラ発生リスクが高まります。本来は適切な医療介入により予防が可能です。しかし、様々な要因により、未だ撲滅には至っていません。