落合雄彦
Takehiko Ochiai

龍谷大学法学部 落合雄彦教授・学部長

「1990年代後半にナイジェリアを訪問したときのことです。あるナイジェリア人産婦人科医に「ナイジェリアにおいて最も重要なリプロダクティブ・ヘルス課題は何ですか?女性性器切除(FGM)ですか?」と尋ねると、「FGMもたしかに問題ですが、それよりもフィスチュラの方が重要だと思いますよ。」という、まったく予想だにしていなかった答えが返ってきました。当時の私はまだfistulaという単語を知りませんでしたので、その産婦人科医にフィスチュラについてさらに尋ねました。そして、そこで教えられた内容に私は衝撃を受けました。
産科フィスチュラは撲滅が可能な疾患だといわれます。しかし、あれから20年近くの歳月が経ちましたが、いまもなおアフリカ諸国では産科フィスチュラに苦しむ女性たちが沢山います。
産科フィスチュラが世界から完全に撲滅されてララアースの存在自体が必要なくなるその日まで、ララアースの活動を応援したいと思います。」