出産時に赤ちゃんの頭が長時間産道を圧迫することで血流が遮断し、組織が壊死して生じる瘻孔(ろうこう)を指し、分娩遷延または分娩停止の合併症と言われています。 全世界に200万人ものフィスチュラサバイバーがいると言われ、アフリカ・南アジア・中東などでみられる、リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関わる国際的な健康課題のひとつです。

【 5月23日は産科フィスチュラ撲滅国際デー 】

今年はGender& Diversity Lab Melatiの新津茉莉花さんと共同でオンラインイベントを開催します。 西アフリカのニジェール共和国で地域開発を行っている三木夏樹さんもゲストとして参加します。 この機会に産科フィスチュラに触れてみませんか?

【日時】

2024年 5月 23日 (火) 14:00〜15:30

【登壇者】

小笠原絢子

助産師として働く傍ら、2017年産科フィスチュラ研究・啓発団体LaLaEARTHを立ち上げる。 2018年 エチオピアのフィスチュラ専門病院を訪問。 安産1件1コインプロジェクトやチャリティヨガを通して、産科フィスチュラの啓発活動を続ける。

新津茉莉花

2009年JICA海外協力隊にてニジェールに派遣。現地にて産科フィスチュラの女性たちの存在を知り、現地で活動を立上げた。UNICEF、JICA、内閣府勤務を経て、現在ジェンダー専門家・社会起業家・研究者として山梨県を拠点に活動。Gender&Diversity Lab Melati 運営。

三木夏樹

NPO法人ヤウダゴベ共同代表。2009年JICA海外協力隊としてニジェールに派遣。その後、現在までニジェールの村で生活を続け、地域を包括的に捉えた協力活動を展開している。現在数年ぶりに日本に一時帰国中。

【申込】

こちらのフォームより。

産科フィスチュラになると

産科フィスチュラを発生させた分娩の7割~9割は死産に終わります。 産道に瘻孔が形成されるため、膣から尿や便が垂れ流しになり、持続的な失禁状態になります。 悪臭により家族から「生殖能力のない無用の厄介者」と見離されるケースも多く、身体的・精神的なダメージに加えて、社会的にも深刻な影響を及ぼします。 産科フィスチュラはおおむね2~3日の陣痛で発生しており、中には4日以上に及ぶ陣痛の末にフィスチュラを発生したケースもあります。適切な治療を受けることが出来ずに放置されるケースが多く、感染や腎臓疾患を合併し、治療しないと死に至る危険性もあります。

産科フィスチュラ発生要因

貧困をベースとして、教育、ジェンダー、保健医療、治安・紛争、インフラ整備、文化・慣習等が複合的に絡み合って発生していると考えられています。特に早婚からの若年妊娠では、未成熟な心身で出産を迎えることになり、フィスチュラ発生リスクが高まります。本来は適切な医療介入により予防が可能です。しかし、様々な要因により、未だ撲滅には至っていません。