早乙女智子
Tomoko Saotome

産婦人科医
公益財団法人 ルイ・パストゥール医学研究センター研究員 
一般社団法人 性と健康を考える女性専門家の会 代表理事

「40年前、医学生のとき特別講義に来た我妻堯先生は、避妊の講義の中で、結婚前だけでなくその後も30年ほど避妊が必要だと教えて下さいました。その後、我妻先生のもとで研修医をし、国際協力や人口問題に関心を持つようになりました。先生の口癖は、日本の中だけを見ていてはいけない、そして女性のことは女性がやりなさい、でした。

私は産婦人科常勤医として働く傍ら、当時日本で認可されていなかった経口避妊薬の認可を求める「性と健康を考える女性専門家の会」を仲間と1997年に立ち上げたり、ベトナム日本二国間母子保健プロジェクトに関わったりと、常に国内と海外の女性が置かれた状況を見てきました。
USAで受けた家庭医や専門看護師向けのWomen’s Healthの講義では、フィスチュラの話もレスビアンの健康課題、女性軍人の健康、妊娠糖尿病や更年期うつなどと同等に語られます。ですから、実際にフィスチュラの患者さんを診たことはありませんが、その問題意識は以前からありました。
ララアースの小笠原さんの活動を知り、迷うことなく応援したいと思いました。フィスチュラそのものは、日本ではほとんど見られませんが、妊娠・出産に関して女性の健康が損ねられる可能性については、国内でも類似していることが少なからず起こっています。今も誰かの身に起こっていることを知ること、そして守ること。皆さんにも知って頂きたいと思います。」